今回、ある市町村のプロポーザルに参加しました。結果は残念なことになりましたが、受託した企業もよく知っていて、信頼のおける会社さんなので、地域のために尽力いただけることと思い、心から事業の成功を祈りたいと思います。
でも、内心は悔しい気持ちで今はいっぱいですが。。。
失敗から学ぶこともあると開きなおり、なかなかプロポーザルに参加する機会はないと思うので、自分が学んだこと、実践したこと、失敗の原因からどうしたらよかったかということを記していきたいと思います。
プロポーザルってなに
プロポーザルとは、主に行政が行政の事業を民間に委託する際に、企画内容を争わせ、行政以外の審査員が審査を行い、点数の高い人が受託する入札システムのこと。
同じ入札でも一般の入札は、「価格」で決まりますが、プロポーザルは「提案」で決まります。
行政によっても違いがありますが、私の住む地域では、だいたい100万円以下の事業は随意契約、100万円を超えるとプロポーザルになるようです。
プロポーザルに参加するには、殆どの場合が「法人格」が求められます。また、募集されている事業に近い公共事業を受託したことがある経験が必要とされます。
新規での参入はなかなか参加条件がクリアできず、厳しい場合があります。でも、プロポーザルの条件によっては、個人の人や、新規で立ち上げた人でもプロポーザルに「ジョイントベンチャー」として参画することができます。「ジョイントベンチャー」とは、複数の企業や個人が一緒にその事業に応募することです。主たる受託企業があり、その企業が専門性などで必要とした場合、主たる企業から要請を受けてプロポーザルに参加します。
「ジョイントベンチャー」で参画した場合、実績として認められることもあります。(行政によって違います)
また、100万円以下の事業であれば、随意契約などで、公共事業を受託することが可能です。まずは、小さな実績を積むことで、大きなプロポーザルに参加できることになるので、実績作りをしていくことをオススメします。
※プロポーザルに応募するには、法人格を取得することが大事になります。
どうやって参加するの?
プロポーザルは、行政のホームページに応募が掲載されることが多いので、ホームページをチェックしましょう。また、行政によっては、指定管理の届け出が必要とされる場合があるので、受注できる仕事は、指定管理を申請しておくことをオススメします。ちなみに指定管理は、年に1回だけ募集するというところが多いので、応募したい市町村の指定管理の募集時期や申請方法をチェックしておくといいですよ。
ホームページには、ほとんどの場合が、「事業の概要」「公募内容」「事業スケジュール」「応募に必要な書類のフォーマット」が掲載されます。
事業概要でどのような企画が期待されているか、確認し、公募内容をチェックします。事業スケジュールを確認し、必要な書類を期日までに用意し、提出して、応募完了となります。
今までの経験だと、ほとんどのプロポーザルに1回目の「応募の締切」があり、その日までに必要な書類を提出することにより、数日後に行われるプレゼンに参加することができます。
プロポーザルの流れ
- ホームページなどで募集開始(「事業の概要」「公募内容」「事業スケジュール」「応募に必要な書類のフォーマット」などが公開)
- 応募締切(必要書類を提出)
- プレゼン
- 審査
- 結果発表
応募の締切やプレゼンの日にちはあらかじめスケジュールで示されていることがあります。
応募の締切の時には、応募用紙の他、会社の印鑑証明、履歴事項全部証明書、今までの実績の契約書コピー、組織図、見積もり、企画書を提出することが多いです。行政によっては、資料等の提出を求められる場合があります。ここで提出する企画書や資料でプレゼンをすることが多く、プレゼンの日に企画の内容を変更することはできません。
プレゼンの日は、企画書にそって、パワーポイントで資料を作成します。
プレゼンは、発表が20分、審査員による質疑が10分というところが多いです。緊張するとセリフが飛んだり、スライドがめくれなかったりということがおこるので、何度も練習が必要です。
プレゼンと質疑応答を終えたら退出します。その後、審査員が審査表に沿って点数を入れていきます。行政によっては、コメントの記載をすることもあります。応募した会社のプレゼンが全て終了したら合計点を出して、ほとんど当日に審査結果が公表されます。
企画書の書き方
企画書は、ページ数が決められていることがほとんどです。企画書のフォーマットが決まっていて、この内容を記載してほしいというところと、様式はフリーのところがあります。
決められたページ数の中で、以下の内容を記載します。
- これまでの実績
- なぜ、この事業をやるにふさわしいか
- 事業のゴール
- 事業のコンセプト
- 具体的な事業内容
- 担当者や組織図
- 簡単なスケジュール
スケジュールや組織図などは、フォーマットで別に用意されている場合は、企画書から省略します。
私は、購入するものがある場合は、企画書の中で触れるようにしています。
企画書を書くポイントは、依頼主の行政が「欲しい物は何か」をテーマにおいて、企画の内容を作り込むことです。とはいえ、ページ数が決められている場合があるので、あっさりと概要をまとめます。私は、プレゼン用のパワーポイントに詳細を作成し、同時にその概略を企画書でまとめるというやり方をします。
協力が必要な人には、事前に事業の内容を打ち合わせしておくことが必要です。見積もりにも打ち合わせの内容を反映します。事業スケジュールと見積もりは、事業が始まったらそのままスタートできるぐらいまで作り込みます。ただし、協力者の方には、プロポーザルなので、必ずしも受託できるわけでないことをお伝えしておきます。
プレゼン資料の作り方
プレゼン資料は、ページに限りはありませんが、決められた時間内に収まるページ数にまとめます。私の経験上、20分なら多くて40ページぐらいです。
企画書の内容をもっと具体的に詳細に落とし込んでいきます。作るものや購入するものなどは、プレゼンの中で必要性を訴えていきます。
図や写真を多く使い、文字の大小、線の細さや太さ、色を変えるなどで、視線の流れを意識して、文字や写真を入れていきます。事業の内容が詳細にわかるように時系列に記載すると頭に入りやすくなります。
プレゼン資料は審査員に向けてつくりますが、事前に審査員が誰かはわかりません。どんな人が来ても伝わるように作成します。
組織図やスケジュールをプレゼンの中で発表することが多いです。
プレゼン時の注意点
発表する内容は、読んでも大丈夫です。プレゼン資料と内容が一致するようにパワーポイントの送りが遅れないように注意します。パワーポイントの発表者ツールに長い文章を入れると発表者ツールでの文章の送り方がうまくいかない場合があるので、私は別に原稿を作ります。
読む原稿には、パワーポイントを送る印を入れておきます。
とにかく緊張するので、練習は10回以上することをオススメします。また、プレゼン資料は、日にちに余裕を持ってつくりあげて、発表の練習をしましょう。
練習を他人に見てもらい、修正していきます。
つい、発表する方に力を入れがちですが、質疑応答までがプレゼンになります。今回、私の失敗は、原稿を読み上げていたら途中で、パワーポイントと原稿がずれていることに気づき、修正したときに、どこまで原稿を読んだかわからなくなり、かなり焦ってしまいました。焦ったまま質疑応答にうつり、伝えたいことが思う通りに伝えられなかったということがありました。
質疑応答も念頭に入れて準備していきます。どんな質問が出そうか事前に予想して答えを用意し、練習しておくと、緊張する中でも言いたいことが伝わります。
プレゼンは質疑応答までがプレゼンです。準備をぬかりなく、早めのスケジュールでプレゼン資料をつくり、練習する時間をしっかり取ることが重要です。
今回は、私の失敗からプロポーザルに参加する方のために記事にしました。ダメな時は、いろいろと協力をお願いしていた方たちにお礼と感謝を伝え、頭を切り替えて次の仕事に邁進しましょう。