突然の大雨に小さい子どもを抱っこしながら 右往左往のママ。そこに通りかかった傘をさしたあなたは何を思いますか? 「天気予報見なかったの?」「もう少し先のコンビニで傘が売ってるけどなあ」「気づかなかったことにしよう」 「傘をあげて自分は走っていこう」・・
☆親が親として育つ支援
1995年頃、私が感じていた子育て中の母親たちへの心配事は、私個人の憂いでは無かったことが、当時受講した数々の子育て講座で証明されました。親が非力になったのではなく、人が育つ社会環境の変化により子育てに関する体験が無いままに親になっていることからくる、しんどさです。子育てには知識が要ること、知ったことを実践すること、思うようにいかなくても焦らず腐らず投げ出さず、その体験の繰り返し。私は学びに後押しされた感性を信じて、1998年子育て支援グループを立ち上げて市民目線の支援活動を始めました。
「無いなら創っちゃおう!!」と親同士が日常的に手助けしあう仕組みづくり、講義型ではない参加者交流型の学習の機会など、親同士の交流をメインに、エンパワメント支援、社会状況の改善・啓発などの支援活動です。母親になっていつのまにか置き去りにした「わたし」を人とのつながりの中で取り戻していくのです。 こうして元気になった母親は、子育てにも自信を持ち始め、次に助ける人になり得るのです。母親の自律支援をしていくことで私自身も育てていただきました。
☆公共性 公益性を
「朝まで眠りたい」「冷めないうちに食べたい」 「一人の時間も欲しい」「誰か大人と話したい」…こんなわずかな願いも、母親という立場では我が儘(ママ)と映るのでしょうか?小さなつぶやきも、共感しながら寄り添い、公共性・公益性を持たせて事業化してきました。今では父親支援にも力を入れています。
夫婦の絆、家庭の安寧づくりが、子どもの健全育成の基本になると「家族丸ごと支援」です。
☆ 相合い傘でホッとタイム
さて、冒頭の母子に私の選択は「雨のあたらない所まで相合い傘で行きましょう」です。 子育て支援活動をはじめて22年。支援のあり方はずっとこのイメージです。無関心ではなく、かといって子育ての肩代わりをするでもなく、ましてや母子を濡らす雨をやませる神力など自分には無いことを言い聞かせて・・。
帰路、雨宿りの軒下にまだ母子がとどまっていたら、さて何と声をかけましょうかね。