ひろこさんは東京のご出身なの？とお尋ねすると、結婚前も結婚後も転校、転勤が多く、自分がどこの出身かと断言するのはとても迷う・・・そう答えがかえってきた。

奈良に来て8年になるという。

第25回　グルテンフリー米粉パン教室主宰　関口ひろこさん

ひろこさんは、調味料や食材に気を付けるのが当たり前の家庭で育った。パンやお菓子も手作りのもので育ったので、ごく自然に自分でも作るようになったんだそうだ

しかし、それを仕事にしようとは全く考えておらず、20代の頃はストレス解消が甘いものを食べることだった。20代の終わり頃、急激な体調不良に見舞われたが、体調が落ち着いてくると、また危機感も薄れ。結局は甘いものをやめることはできなかった。

子育て期・オーガニック志向に

31歳で結婚、33歳でご長男を出産。生後間も無く、息子さんのアレルギー症状（乳児湿疹）があらわれた。小児科でもらったステロイド剤でさらに悪化した。皮膚科へ行くと、保湿をすすめられるだけで、一向によくならない。そんな時に、自然素材で軟膏を作る皮膚科医と出会い、次第にオーガニック志向になっていったという。

息子さんのために、アレルギーに良くない食材を調べていく中で、マクロビオティックにたどりつき、菜食中心の食生活にシフトしていった。子どものために、という原動力から極端にストイックになっていた。お菓子作りも白砂糖や動物性食材不使用で作ることに熱中していた。

実はこのころ、米粉のお菓子作りもしていたのだが、“美味しく作るのは難しい。”と感じていた。息子さんは小麦にアレルギーはなかったので、小麦でお菓子作りが出来たことから、特に米粉を活用することもなかった。

しかし、ひろこさんがこだわればこだわるほど、ストイックになればなるほど、周りと話が合わなくなることを実感するようになっていた。

勉強時期、資格を取得

子育てをしている頃は、都内で生活していたため、自然育児のイベントもたくさんあった。あちこちに出かけていく中で、マクロビオティックやアロマ・ハーブなどの自然療法と出会い、学びながら日々の生活に生かしていくようになっていった。先輩の自然育児ママたちの子育て支援のおかげで楽しい子育て期を過ごしていたこともあり、自分も保育士資格を取って、子育て支援に関わりたいと思うようになっていった。

息子さんが小学校に上がるタイミングで奈良に転居。8年前のことだ。

36歳で出産した下の娘さんの入園を機に、自分の時間が出来るようになったので、保育士の勉強をしながら、マクロビオティックやアロマテラピー、ハーブ療法などを奈良や大阪のスクールに学びにいくようになった。

2015年に米粉マイスター講座を受け、かつて自分が上手に作れなかった理由がよくわかった。「これは面白い！」と米粉のケーキやパン作りにはまり、専門講座を受講。2017年にはインストラクター、2018年には米粉パンマイスターの資格を取得した。

子育て支援、講座の開始

娘さんが、小学校1年生になった時に、この時には取得していた保育士の資格を活かせないかと考え、子育て支援員として週に一度の仕事を始めた。

自分の学んだ食のこと、アロマやハーブのことを、子育て世代に発信できないかと考えていたが、子育て支援員として働く行政機関では“偏った内容は誤解を受けるのでダメだ。”といわれていた。採用時に熱心に話を聞いてくれた団体の社長の急死もあり、今の場所でやりたいことはできないから、個人で発信を始めたいと考えるようになっていた。

子育て支援の場として、料理教室やアロマ・ハーブの講座をする場所を借りたくて、WFCに登録。2年間、WFCの事務スタッフとして仕事しながら、2018年7月から米粉マイスター講座をスタート。その後は途切れることなく、米粉マイスター講座の受講生さんが来てくれている。受講生のみなさんの要望により、米粉パン・米粉成形パンの講座も始めるように。

“食は家族を笑顔にする” アレルギーがあってもなくても美味しく食べられる米粉パンは、そのことを伝えるのに、とてもいい食材だと考えている。グルテンフリー米粉パン・米粉成型パン講座はこれから特に力を入れたい分野なんだそうだ。

しかしながら、ひろこさんは家庭が基本、子どもとの時間は大事、講座を開講するのは子どもが学校に行っている間、その間にできることをする！それをひろこさんは大事にしている。

関口ひろこさんリンク

http://narakomeko.mystrikingly.com/

https://www.facebook.com/syokutokaori/

池内後記

ひろこさんの作るおやつやパンはいついただいても、とても美味しくて、優しい気持ちにもなるものばかりだ。普段から環境や、食にこだわりを持つひろこさん、それが子ども時代にさかのぼるとは・・・驚いた！

大変勉強熱心で、新しい情報にも敏感、常に意欲的だ。今は子どもさんたちとの時間を大事にし、日中だけの講座が中心である。これから先、彼女の作る、指導する米粉のおやつやパンはどんどんファンが増えるんじゃないかな、と確信している。