キャリアコンサルタント〜高橋紀子さん〜イキイキ働く人と組織を作りたい!
キャリアコンサルタント、イキイキ働く人と企業を作りたい!
「BLOOMメンバーへのインタビュー企画」今年のインタビュアーは池内詠子。フリーアナウンサー・司会者として様々なジャンルの方々にインタビューをしてきた私、キャリアコンサルタントとしても多くの方々に話を聴いてきた。そんな私が、働く女性たちに仕事の話はもちろん、生き方、家族、心の声、夢、リアルな本音に迫ってみる。
高橋紀子さんにはチラリとお会いしたこともあったが、じっくりお話しするのは今回が初めて。zoomでのインタビューとなった。
第30回 キャリアコンサルタント・組織設計プランナー 高橋紀子さん
まずは紀子さんの“今”からうかがった。
現在の活動
企業では、人事に関わるコンサルを行なっている。人の定着・採用・育成・活性化のコンサルティングが基本。それに加え、研修、個別面談など、企業により関わり方は異なってくる。
また自治体の年間の事業を受託して運営している。ワークライフバランス、働き方の見直しに関するテーマが多く、内容によりセミナーをしたり、専門家として訪問することもある。
大学や専門学校では、学生が社会に出る前の、社会人基礎力講座のカリキュラムを考え、授業を実施。また学生募集の仕掛けを考案している。
他にも、研修の企画・運営、もちろん実際に講師としても出向く。またキャリアコンサルタントとしてキャリア相談など。
そして紀子さんがライフワークと捉えているのが子育てママを応援することだ。ブランクのある方の後押しをし、社会進出を促す。
学生時代、キャリアのスタート期
小学校の時は童話作家になりたかった。人生で一番本を読んでいた時期だったという。
大学では社会学・心理学を学んだ。当時も今も、学ぶことが好き、新しいことを吸収するのが好き。わからないことをそのままで放置できない。
今の紀子さんからは、少し意外だが、学生時代には、バックパッカーでひと月くらい海外を放浪していた経験もあるんだそうだ。
卒業後、株式会社リクルートに就職、広告事業部で採用広告の営業に就いた。そして入社して4年半経った頃、社内結婚し退職、大阪から奈良に移った。
結婚後、それまではできなかった習い事を楽しみ、ご主人とあちこち旅行もした。進学塾の事務に携わり、英会話教室を立ち上げる準備に関わった。カリキュラムを考え、子ども向けの教材を選出、外国人教師を探し、プログラムを考えた。2年半ほどして妊娠し、ここからしばらく専業主婦となる。
専業主婦でいるつもりだったそうだ。“めちゃめちゃ働いたから、もういい。”そんな気持ちだった。子育てに夢中で、もう一度働きたくなるとは思わなかった。育児サークルではママ友と楽しく過ごしていた。
そんなある日、リクルート時代の仲間がパソコン教室を立ち上げたというのを聞き、見学に行った。
仕事復帰
“なんかやりたいな・・・仕事をしたいな・・・” もともと文章を書くことが好きだったので、フリーライターをイメージし、コピーライティングをしてみようと考えた。下のお嬢さんが3歳の時に仕事に復帰した。
ブランクのあることを気にしていたが、最初に手がけたリライトの仕事の評価が高く、やっていけそうかな、と感じた。続いて、子育てサイトのコンテンツを考える仕事、企業の顧客向け情報誌編集の仕事を依頼された。
子育てサイトの仕事のために、妊産婦さんに取材に行き、悩みを聞いた。将来に対する不安が多く、見えない不安が一番大きな不安だと知る。紀子さんはもともと相談を受けやすいタイプ、それも結構深い相談。妊産婦さんの悩みを聴きながら、自身の“話を聴ける”という強みを再認識。
ちょうどその頃、キャリアカウンセラー(現在の国家資格キャリアコンサルタント)という仕事を知り、CDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)の資格を取得。大学のキャリアセンターで働き始めた。同時にポリテクセンターで、求職者と仕事とのマッチングの職に就き、現場で仕事をしながら学ぶ環境を得た。
ここからの紀子さんは、何かを始めるとそこからまた何かが広がる、ということの繰り返しになっていく。講師をやってみない?と言われ、セミナーをすると、また次の依頼がきた。
学ぶことは常に続けていた。メンタルヘルス・交流分析・MBTI認定ユーザー・ワークライフバランスのコンサル・・・必要だと感じた資格はどんどん学んで取得した。世の中の動向・ニーズを常に意識しながら新しいものを身につけていった。
紀子さんにご自身のことを分析してもらうと “飽きっぽいけど、根気がある、中途半端がダメ。” 同じことをずっとしていると自分が停滞している気がする、他の人がしていないことを、自分にしかできないことを考え、コンテンツを作る。PDCAを常に意識し、地道にコツコツやってみて、また考えてやる、その繰り返しをしているのだと話す。
趣味は、家にずっといること、お友達と喋ること、旅行すること。
そして演劇。大学時代から演劇が好きで、現在も小劇場の演劇、誰も知らないような演劇を楽しむ。狂言も好きだという。
最後に、これから仕事をしたいけれど、何をすれば良いのかわからない女性へのアドバイスを訊ねた。
①自分が本当にやりたいこと。
②少しでも経験があってやれること。
③働く場所や時間、収入などの条件面
この3つの視点で考えてほしい、と。「〇〇すべき」「きっと無理」「自分なんて」といった考えは横に置き、とにかく①を自分に問いかけることから始めてほしい、見えない壁を自分で作らずに、ちょっと離れたところから自分を俯瞰で見て、視野を広げてみたら、いろんな可能性が見えてくる、そのお手伝いをしたい、と語った。
紀子さんご自身は、これからは少し力を抜き、人と同じことでも自分らしくやることを大切にしたい、という。ゼロから生み出すことも、今あるものを自分らしくアレンジすることも、どちらもクリエイティブだと思えるようになった、と。
高橋紀子さんリンク
池内後記
集中力を持ち合わせていること、そして努力ができるということは、その人の能力であると常々感じている。思いはあるものの、何かにチャレンジしては挫折するという経験、誰しもが経験することなのではないかと思う・・・だが、紀子さんは!! 尊敬を通り越してしまうレベルである。
学びの途中の資格、読んでいる途中の数冊の本・・・それらを思い浮かべながら紀子さんのお話を聴いていた。今度お会いする時には、集中力を高めるにはどうすれば良いのかを伺ってみよう。