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たけむらきょうこ

竹村亨子

畑薬膳アカデミー代表

畑薬膳アカデミー代表〜竹村享子さん〜陰陽調和の重ね煮・発酵伝承講座・畑野菜でワークショップ

畑薬膳アカデミー代表・陰陽調和の重ね煮・発酵伝承講座・畑野菜でワークショップ


「2019版・BLOOMメンバーへのインタビュー企画」今年のインタビュアーは池内詠子。フリーアナウンサー・司会者として様々なジャンルの方々にインタビューをしてきた私、キャリアコンサルタントとしても多くの方々に話を聴いてきた。そんな私が、働く女性たちに仕事の話はもちろん、生き方、家族、心の声、夢、リアルな本音に迫ってみる。

享子さんとはなかなかお話しする機会がなかった。一度、ランチ会でご一緒していたが、その時は席が離れており、言葉を交わせなかったのだ。いつもFacebookでお仕事の様子を拝見していた。どんなお料理を教えていらっしゃるのだろう?

第27回 畑薬膳アカデミー代表 竹村享子さん

享子さんは奈良県田原本町のご出身だ。

育った環境の中で自然に、女性でも学校を卒業したら働くのが当たり前だと思うようになっていたという。おじい様の妹さんは明治生まれ、お父様のお姉さんは大正生まれ。お2人とも教師として、またお父様の妹さんは薬剤師として働いておられた。働く女性たちを子どもの頃から見てきた享子さんも、結婚しても続けられる薬剤師を目指した。

大学時代はワンゲル部に所属。お休みになると山登りを楽しんだ。これもお父様の影響だという。小学校の頃に初めてお父様と一緒に富士山に登ったそうだ。山を歩く、楽しむことは、その後も今に到るまで享子さんの趣味となっていく。

1975年に大学を卒業、女性の採用枠がまだまだ少ない時代だ。享子さんは奈良県内の製薬会社に就職し、2年勤務、同じ薬剤師であるご主人と結婚し、退職した。

「この人と結婚すれば大阪で住める!」これが一番の結婚の決め手だったんだそうだ。田原本の旧家で育った享子さんには豊中でのマンション暮らしは夢のような生活だった。

その洒落た生活の中で、“ご飯とお味噌汁にお漬物” ではなく、洋食が中心となっていった。パン作りに一生懸命になった。

3番目のお嬢さんが3歳の時、アトピーと喘息を発症した。お嬢さんの症状と葛藤する日々の中、ある日、“アトピーの方向け、陰陽調和の重ね煮料理”の広告を発見した。

「これだ!」 衝撃を受けた! 梅崎和子先生が自宅で開講する料理教室に通い始めた。

陰陽調和の重ね煮料理との出会い

東洋哲学の陰陽を料理に応用した陰陽調和の重ね煮料理とは・・・。

陰は身体を冷やすもの、陽は温めるもの。葉物や夏のお野菜、地面から上にできるものは陰、根菜類、地面から下にできるものは陽。

お鍋の中に、陰である葉っぱのもの(水分の多いもの)を下に、陽である根っこのもの(水分の少ないもの)をその上に重ねる。これが、陰陽調和の重ね煮料理だ。

きっちり蓋をしたお鍋の中で、水分が対流する。お鍋の中が“小宇宙”となるのだ。

兼業農家で育った享子さんは、洋風のものに憧れを抱き、結婚後のマンション生活では洋風や中華風のお料理を取り入れた。これが間違いであったことに気づき、梅崎先生の料理教室に1年間通った。

そして、子どもが成長すると薬剤師の仕事をしようと思っていたが、このお料理をずっと続けたいと考え、先生のアシスタントとなった。

1991年頃、梅崎先生ともう1人のお仲間の3人で料理教室の会社を立ち上げた。

新大阪で教室をスタート、アトピーのお子さんを連れたママ達がどんどん教室にやってきたという。そして、まもなく、より広いスペースを求め、西中島に移転した。

2003年、3人のお嬢様たちも独立し、田原本に戻ることになった。戻ってから、一旦は薬剤師に復帰したが、本当にやりたいことではないと悩んだ。

やはり料理の仕事をしていこう! 野菜ソムリエの資格を取得、その際に知り合った方が主宰するカルチャー教室で料理教室をスタートした。その教室に京本薫さん(京本薫さんのインタビューはこちらから)が生徒さんとしてやってきたのだ。薫さんの紹介で、WFCに登録することになった。

 奈良での教室開講

現在の享子さんの教室は3つに分類されている。

1発酵伝承講座

2陰陽調和の重ね煮料理講座(天理とWFCで開講中)

3畑野菜でワークショップ(田原本のご自宅で開講中、4月で93歳になるお父様が現在も野菜を作り続けておられる。)

この中の“発酵伝承講座”を始めるに至った経緯、それは田原本に戻り、ご両親様との生活の中にヒントがあった。

お漬物が大好きだというご家族様。食事にはお漬物が欠かせない。お母様の沢庵漬けやぬか床を、なんと2、3年かけて指導を受け、引き継ぐことになったんだそうだ。ちゃんとお漬物ができていないと家族からクレームが出るのだという。

料理教室で、このお漬物の話をしたら、“ぜひとも教えて欲しい。”と言われたことがきっかけだったという。

竹村家ではお味噌も手作り、享子さんのお母様がお米を麹にして作ってきたお味噌作りを、享子さんも受け継ぎ40年以上も作り続けているという。お母様から受け継いだお漬物とお味噌、これを元にしたのが “発酵伝承講座”だ。

 

 

享子さんの発酵のお話を聞いているうち、私は一本の映画を思い出した。

「千年の一滴 だし しょうゆ」これは柴田昌平監督作品、2015年に公開された日仏合作のドキュメンタリー映画である。私はこの映画を、ならまちで開催されたイベントでの上映会で観たのだ。その日は、柴田監督のトークショーもあった。

日本の鰹節、そしてしょうゆ作りに欠かせない麹のことが、それはそれは素晴らしい映像で知ることができる作品である。(千年の一滴 だし しょうゆ 公式ページ

この映画のことを、享子さんに話したところ・・・なんと享子さんと私は、柴田監督のトークショーが開催された上映会で、一緒に映画を観ていたことが判明した! 小さな会場の中で私たちは出会っていた。

この映画に感動した享子さんは、その後、この映画に登場する京都の種麹屋「菱六」の社長・助野氏を講師に招いてセミナーを開催、そして2年前の5月に立ち上げていた発酵伝承講座の初回の講師として助野社長を招いた。昨年は発酵伝承講座の1周年記念として映画上映のイベントを行ったのだという。

 

これからの夢

これからどんなことをしていきたい?そうお聞きすると、享子さんは「今住んでいる家(江戸時代末期の建物、約築180年)をリノベーションして、都会で生活している方に来ていただき、野菜の収穫をした後に料理をしたり、日本食を外国の方に体験してもらうようなことができたらいいなと考えています。それから加工するスぺースを作って近所のおばさんに来てもらい、地域の野菜を加工し、地域貢献したいと思っています」と。

悩みは、忙しすぎて山登りもできないこと。先に山登りの予定を決めてしまおう!と、2020年は年初から早朝ウォーキングを開始、ウォーキングもできるだけ楽しんでいるそうだ。

 

 

竹村享子さんリンク

畑薬膳アカデミーHP

畑薬膳アカデミーブログ

竹村享子さんFacebook

LINE公式アカウント

池内後記

同じ映画を同じ日に観ていたことには驚いた。

享子さんのお話は楽しい、教えておられることも魅力的で、なんとかスケジュールをやりくりして享子さんの教室に通えないものだろうか・・・と思わずにはいられない。

1月の初めにお誕生日を迎えた享子さん、その日のFacebookの投稿にこんなフレーズがあった・・・Think globally. Act locally.  地球全体のことをいつも頭に置いて、それぞれがその地で活動しよう、といった意味だろうか。これを食生活で実践し、過去から未来へ継承していきたいと書いておられた。素敵だな。夢として話してくださった農家民宿、こりゃきっと実現するな、そう確信している。

 

プロフィール

竹村亨子

畑薬膳アカデミー代表

竹村亨子

子どもが喘息、アトピー性皮膚炎になったことから陰陽調和料理を梅崎和子氏より学んで、「病気になってから薬に頼るより、病気にならないように食事で予防したい。」という考えに至り、以来20年間陰陽調和の重ね煮料理の講師活動をしています。

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聞き手

池内詠子

司会者・キャリアコンサルタント・講師

池内詠子

お天気お姉さんからキャリアをスタート、子育て期を経て司会者として復帰。話し方の指導、コミュニケーション強化の指導をはじめ、キャリアコンサルタントの資格を取得。二人の娘たちはすでに社会人。これからは働く女性たち、ママたちを応援していくのが夢です。表情や話し方、声の出し方で損をすることがないよう、レッスンしています。自信を持って、仕事をし、地域に関わり、子育てを楽しみながら社会で輝く存在になってもらえるようサポートをしていきたいと思っています。趣味は自然の中で、緑の中で過ごすこと。山歩きをしたり、里山の風景を楽しんでいます。美術館を巡ったり、おしゃれ談義をすることも好きです。

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